TXQ FICTION/魔法少女山田

 



https://youtu.be/GI74CkvPcH8?si=BTcErNrpzyYLuSpS

見てました!おもしろかった~3話構成だからすっごい消化不良になるかも思ったけどすごくうまくまとめてて満足!

以下、1~3話の感想見ながら書いたのをそのまま載せてます。


1. 「唄うと死ぬ歌」と「魔法少女が怖い女性」


ラジオで流された「唄うと死ぬ歌」の絶妙な不協和音。

最初は子供たち+男性の合唱で唄っていたのが途中「バチン」という音が入ってから子供たちの声がどんどん聞こえなくなり最後は男だけが朗々と歌い上げてるのが何とも言えない異様さがあった。音だけでここまで不穏さを出せるのか…。

「魔法少女おじさん」の詳しい感想サイトでは「唄うと死ぬ歌」の原型があった(山田が歌を作成してるシーンがある)と書いてあったけど、「歌詞やメロディは未完成ながら」とも書いてあったので、ラジオで流れたのとは違うんだろうな。

ラジオのは完成版。多分完成しちゃいけなかった歌ということなんだろうな。


作中作品のバラエティ番組が普通におもしろい。これぞテレビ局の十八番ですよ!って感じ。

最近の芸人さんのこと知らな過ぎてトムブラウンは架空の芸人だと思ってた…(失礼)

薄っすらと違和感があって、それを勘づくようにワイプ側のコメントや小物の配置など工夫してるのがすごいな~


魔法少女が怖い女性、催眠術で魔法少女が怖くなくなったという番組のオチがついてたけど


・本当に怖くなくなったの?(魔法少女について「怖く『は』ない」と言っていて若干?だった)

・怖くなくしてしまってよかったの?


という感じで、今後の展開的に後者の可能性高いのかな?


貝塚は「歌は知ってるのにどこで覚えたのか全くわからない」といっていたけど、女性と同じように?恐怖心から記憶を封印している?

魔法少女おじさんのパッケージ説明には山田は元教師で自分の教えを子供たちに広めたい、教育世界に改革を起こしたいと考えていて公民館とか小さなとこで活動している、と書かれていた。貝塚や女性が子供のころにこの魔法少女おじさんに接触していた可能性は高い。

しかしこんな怪しげなおぢ、もとい、魔法少女おじさんのとこに子供が行くことを親は許すんか…???となってるけど次回のDVDで明らかになるのかなぁ。


何故「歌う」ではなく「唄う」なのかについて、唄の漢字を調べたところ、

「仏(仏教を開いた釈迦)が行ったよい行いをほめたたえる歌 また、その歌をうたう事」とのこと。

梵語の「唄匿」…法要の初めに身心を静める意味で唱える曲から来ているともされているようで、宗教的な意味合いが結構出てる。


この場合宗教と言うか儀式的な意味なのかもな…「ナニカ」を賛歌し称える歌、「ナニカ」の儀式のために心身を統一する、といった。

良くないものと繋がってるのは確か。




2.ドキュメンタリー映画『魔法少女おじさん』 山田氏と三田監督


山田氏には娘がいたってことだけど…うーん…これ系モキュメンタリーって配偶者に確認取ったら「娘なんていません」とかあるあるなのでそっちの可能性もあるかな?

チラホラと山田氏が「良い人なんだけどちょっとン?な感じがする」よう周到に演出・演技されてるのがすごい。

不登校の子の家に個人判断で家庭訪問したりいじめっ子の家に夜中乗り込んで説教したり…妻子の転居知らずに突撃してしまったり離婚で別居になった娘が魔法少女好きだから自分が魔法少女やってる姿を見たら喜ぶのではないかと思っているのも全部、「熱心だし100%善意」で片付けることも可能だし「…というのはまあわかるけどちょっとおかしくないか?」と疑念も若干抱かせる塩梅が上手すぎないか…

不器用ないい人の範囲におさまりそうでいて、ちょっと異常さも感じる。


「山田は子供が怖い、だから教育の枠にはめようとしてる」という山田氏の友人の言葉は重要そう(恐怖心展の宣伝込みの番組のため)

「子供には無限の未来がある」とは言うけど逆に「子供はいろいろと未知な部分が多い存在で怖い」と言い換えれば納得する人は多そうだし、未知の部分を既知に近づけるために大人は子供に教育を施すのだと考えることもできるよなぁ…

あと山田氏の渾身のマジカル講義「魔法は、表に出る派手な物じゃなく土の中でしっかり根を張って~」ってあたりも、貝塚や萌歌が「記憶していないのになぜか覚えている歌」と不気味にリンクしてるなと思った。

自覚無く思想として深く根付いてしまっているものは、自覚できないが故に除去もできないよな。怖いやん。



魔法少女おじさん、三田監督が撮りたいものを優先して編集で時系列をいじってる可能性浮上(多分ほぼ確定?)

山田氏の追悼会の映像で三田監督は「歌が完成しまして」(字幕:歌が完成していて)…山田氏が死亡後に三田監督が手を入れて完成させた?

ただ、言い回し的にはあるあるな間違えとも取れそう。

でもどう見ても映画最後に復活した魔法少女おじさん明らか別人では!?だからね…

山田が使ってた魔法少女のマスクとも違うし体格や衣装に関しても…ある意味「心機一転してより『らしく』、上手くなった」とも取れるからツッコミはされないかもしれないけど1話のあれそれを知ってしまっている視聴者は「あっちは違うよな?」とわかるようになってる。


山田氏の死亡で終わるはずだった魔法少女の物語を山田監督が続けてしまった、という感じなのかな。




3.模範解答「この作品はフィクションです」


答えが操作されている可能性が高いので信用ならないけど一応答え合わせの回。

様々な考察がされてきたけどこうきたか!という感じでした。


途中入ったウラ・ラノのとこ、「広告入った?」って一瞬勘違いした。これも作中作!音も雰囲気もあまりにも自然(不自然なのは「逆にラノベ作家に向いていないのは?」という質問のみ。出したい答えから逆算して制作されてるのがわかった。何が良作、ヒットするかわからないから現実だとこの質問はしないしこういう具体的な答えも出さないよな~)




・貝塚や萌歌がいたクラスの園児たちの前で魔法少女の恰好をした山田が首を吊って自殺した


 →ラジオで流れた音源=防犯カメラの音源。途中入る「バタン」という音→子供たちの声が消えていく=山田が踏み台を倒し首を吊る音、子供たちは何が起こったかよくわからず困惑?恐怖?で沈黙していくという流れだった。


 →「唄うと死ぬ歌」=園児たちから見て、唄うと人(山田)が死ぬ歌

 

 →山田が自殺した理由は明らかになっていない

  (山田のちょっと異常な教育熱心ぶりから恨みなどではなく純粋に「魔法をかける」という意味で子供たちの目の前で自殺という手法をとった可能性はおおいにありそう)

  (その教育熱心の根底にあるのは子供への恐怖というのがキモっぽい)



初回、「唄うと死ぬ歌」と「子供たちの声が次々消えていく」不穏な音源から想像したのって「子供たちがどんどんいなくなってる不吉な歌だ…この歌っている男が呪いの歌を…」って多くの人が妄想したと思うんだけど、まさしく術中にハマった感。

子供たちの目の前で自殺って相当インパクト強いのに親たち(萌歌の母親とか)が騒いでない、事情を知らなそうなのを見ると、山田の最期の授業で唄った28人の園児は「魔法にかかって」その時のこと自体は忘れていたがその時の恐怖心や歌は精神に深く刻まれた。園内の人間は子供たちが何が起こったかわかっていないのをいいことに山田の自殺を隠ぺい。

28人全員かはわからないが貝塚のように歌だけ覚えていたり、萌歌や松本(コミカライズ)のように魔法少女恐怖症になったり、ラノベ投稿者のように魔法少女で同じ話を何度も投稿するなど何かしらの影響が出ている。

「教育」というのが大人から子供へ受け継がれていくものであるように、山田の「子供への恐怖」が結果的にこのような形で子供たちの恐怖としてそれぞれの形で実をなして受け継がれていってるのがおぞましくていいな~と思いました。



・この「魔法少女山田」は三田愛子という監督が作成した「魔法少女おじさん 第2章」という作品である


 →時系列の編集などが考察に上がっているけどそれらに対する是非の答えは無く、3回全てが「三田監督というキャラが作った作品」ということのみ明らかになった


 →3話目の映像にもところどころ時系列的に矛盾がある(貝塚が元園長から防犯カメラの映像資料?を奪って逃げるところで最初は靴を履いていないのに一瞬場面が切り替わると靴を履いている等)ため、3話が真相回答にはならない模様


 →コミカライズという別媒体が展開していくためそちらで三田監督の思惟が入らない真実が明らかになる?



3話全部が作中作でした!というオチ。

明らかに監督の手が入っている部分も多くみられるから真実はわからない。

…となったとこで、別媒体のコミカライズ出してくるのが商売上手いなと思いました。正直コミカライズって媒体はモキュメンタリーとは相性が悪いとこがあるので(漫画という二次元で描写されることで一気に物語要素が強くなるため)こう入れてくるのか~と感心。

ディザー絵(リアルタッチで描かれたスーツの男性が倒れているのを二次元バリバリの魔法少女が見下ろしている絵)も含めてだけどリアルと二次元の地続きを意識しているのかもしれない。

ドラマが「三田監督というキャラが作った作品」である以上、三田というキャラの思惑で編集がされているのがチラホラ示唆されていて「真実を知りたい」視聴者側からすると真相に迫る信頼性が薄い。コミカライズは三田というキャラが出ない媒体だから情報にキャラの思惑が入ってこない=真実に近い情報が得られる。

うーーーーーん商売上手!!



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