見てきました。おもしろかった〜!
事前情報やネタバレ無し、公式サイトの人物関係のみサラッと頭に入れておく。
以下ネタバレ感想。
序盤カッコいい音楽とタイトルテロップ。ドラマ版でシリーズやってましたとシレッと言われても信じる。
主人公のマヨが結婚式打ち合わせで、妊娠している女性とのカップルがいるところを気にしてて、うーんマヨ妊娠してるんです?とちょっと疑ったけどこれは別の伏線でした。
そこから父親が殺された一報が入り、身元確認のためマヨは地元へ。
実家の確認を刑事としてるマヨと警備体制を潜り抜けシレェ〜っと入り込んだ武史がご対面。
警察を煽りながらの手癖の悪さもとい鮮やかな手品をパッパッパっと披露して情報を掠め取っていくのが如何にも!胡散臭い癖強天才マジシャン探偵!なんだけどそれを不自然に感じさせない福山雅治さんの空気感・存在感よ……。
「イッツ・ショータイム!(指パッチン)」するベタベタのベッタぁ!なマジシャン探偵がなんの違和感もなく演じられるの福山さんぐらいでは…。
元一流のマジシャンである武史(叔父)と真世(姪っ子)のコンビは安定感あってよかったです。
マヨの「おじさん」呼びを何度か変えさせようとしてあしらわれてはぐぬぬ…してる武史おもしろい。
殺害されたマヨ父(タケシの兄)が人望が篤すぎる。
どんだけ各方面から相談受けとるんや。元生徒たちも相談しすぎや。
武史が純粋に兄のために「どんな手を使ってでも犯人を見付ける」と思ってたのが意外だった。もうちょい複雑な心境なのかとも思ってた。
マヨへの接し方(家の中でも生徒と教師っぽいとこがあった)について兄を窘めていたとこもあるし、あの旧い町だと奔放な次男坊の武史に対して長男でしっかり者な英一への期待度って相当高かったのかもな~と察するとこはあるのでそういう対比や葛藤は掘ればありそう。
中学時代に亡くなった津久見くんがもう圧倒的光で…光の塊みたいな男の子、とマヨが言ってたけどこんな男の子が現実にいたら陰キャは全員焼き尽くされた上で惚れるしかないだろうというぐらい光だった。
オタクに優しいギャルと概念が似ている。
釘宮にとっては多感な年頃に得られた唯一の理解者で肯定者、しかもコミュ力もスペックも高い光キャラ、そして早逝してしまう、という焼きつくには十分な存在だったろうと思わされた。病気さえなければ原案・津久見、作画・釘宮で漫画バカ売れ世界のてっぺん取っちゃってたナ!!だったのかもしれない。これは実現しなかったルックバック…はや辿り着けぬバクマン…。
序盤で「デビュー作からガラっと作風を変えた幻脳ラビリンスで大成功した」というマヨの一言からなんとなく察したよ…描いてる身としてはいきなり作風を変えるというのは不可能に近いとわかるので…。
「パクり知られたくないならタイトルまんまにするなよ」とか「さっさと言えばよかったじゃん」とかの感想も見かけたけど、釘宮としては憧れで親友で漫画が大好きだった津久見の世界を自分が漫画にして世界に知ってもらうという使命感と、単純に売れたい・成功者(陽キャ)の仲間入りをしたいという欲望の両方があったんじゃないかなーと勝手に解釈しています。
タイトル変えなかったのも、津久見の世界(アイディア)だという尊重があったから、あと、まず売れることに必死でそこまで考えが及ばなかった、というのもありそう。
釘宮にとっての光である津久見のアイディアを曇らせることは許されない、でも自分が「親友のアイディアが原案ある」ことを黙って描いてる事実こそが罪で曇らせである+失敗したら全て終わりって脅迫観念とか。
(あと、仮に津久見がつけたのとは別のタイトルにしていたら、多分視聴者側に「タイトルを変えるとか悪いことをしてる自覚あって隠そうとした明確パクりじゃん!」という余計な気持ちを持たせてしまうからっていうのもありそう。)
釘宮にだけ渡したアイディアノートの最期に「釘宮みたいな才能が欲しい」という無念の一言(あれって嫉妬とか無さそうな光の塊な津久見が吐露した唯一の悔しさなんじゃないか?と思うとズッシリくるね…)があって、それを釘宮も見ただろうから。
憧れの光でも届かなかった世界があり、自分は光に託されたからこそ絶対形にしたい、世界に自分と津久見の才能を認めさせたいって気持ちや、光でも届かない世界に自分は届くんだという快感とか、深堀すればここはいろいろな感情がありそうだな~映画はサラっとだけなのでちょい物足りないか?
他キャラたちの役回りについてはコミカルと言うか漫画ばりにわかりやすくキャラ描写されてます。
エリート眼鏡、贅沢なあだ名だね!今日からお前のあだ名はエリート不倫眼鏡だよ!
木村昴さんが地元大手建設会社の社長息子でオラついてるんですが、声がイイ~~~ってなってしまうのおもしろかった。こういうキャラありがちなダミや濁りが無くてオラついてても作中随一声が聞き取りやすいのよ…。
捜査のために遺影にカメラ仕込んだり、蝶型の盗聴器仕掛けたり、推理シーンは学校全体を使用した大掛かりなマジックショーだったり…と目立ちすぎでは?どうやって準備した?などなどツッコミ処は満載ながら映画らしい仕立てでわくわくしながら見れました。
でも何より、森脇の遺産…汚ねぇ10億を隠すの、さすがに結構な無理があるような…地元政治家が絡んでたら別だけどキムスバ建設の息子と地方銀行員だし…。
全体的にわかりやすく起承転結があってかなり見やすいなと思いました。これは全体的にマジックの舞台を意識して作られてそう?
中高生向けの推理小説としても結構ウケよさそうだなと思いました。ところどころマジシャン探偵としては平成のベッタベタ設定を感じたけどレトロで逆にウケるかもしれん。
マヨの婚約者への疑惑については真実わからないまま終わってしまったけど…続編への伏線かな?と思ったり。
調べてみると原作でも謎のままっぽいですね。
映画を機に続編出る可能性も結構高いのでその時はまた見たいな~

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