【感想】ドクターX FINAL




 時間経っちゃったけど見た日にワーーーっと書いたクソ長感想にちょい追記で掲載します。

本当にめちゃくちゃ長いです。ネタバレ!






オープニングから混乱激しい外国の要人のオペしてるミチコ。映画だからね。豪華に。
晶さんの報酬へのリアクション良いわぁ。そしてここに「耳が聞こえづらくなっている」という伏線が。
ヘリで落とされる→森本くんが偶然隠遁してる
今回の映画では森本くんがナビな一面があったけどミチコの過去探りそうなキャラってそういや全然思いつかないもんな…

海老名院長、名実ともに三日天下でワロタ。しかし人当たりは良さそう。
そこに現れたるはクセツヨズボン履きたる若きサイコパス新院長・神津!って感じもこのドラマならではだよなぁ…最後まで見てもクセツヨズボン設定必要だったか??となる

24時間オペ室回す!15時間働け!50代以上は老害なので自主退職してもらえると助かるやで!みんなの前でリストラ発表!(ブッブー!される)はさすがに色々と無理がありすぎて人の心がわからないというより人そのものがわかっていないのでは系サイコパス院長
ただ、神津院長本人があれだけ若いのにミチコも認める凄腕なこと考えると、多分タイムリミットがもう無い弟を救うために自分の持てるもの全てを注ぎかつタイパコスパで動かしてというのが必要でそれを神津自身が体現出来てしまっているというのが原因なんだろうなぁとは思わされる。なかなか沼い設定で作られてるよな…。

海老名<タイパってなに?!
新人くん<御意ってなに?!
埋まらないジェネレーションギャップ……誰も何もわからない…

ミチコの過去は今とは真逆とも言える性格で、晶さんの元で修行して今のミチコがある。
ここの師弟関係すごく好きなので知れて良かった!

森本くんが倒れた時に神津はミチコの手術の腕を見るためで別に先輩の森本のことはは心配してない雰囲気出してたけど、それは事実として森本のこと死んでも良いとは思ってないから新人くんがミスってヤバくなった時手助けに入ったんだろうな。
ミチコが兄弟で開発した医療技術を使いこなせるか見たかったのも大きそう。

森本の件でミチコの腕を見込んで弟の手術を頼む神津院長…徹夜で話し合って弟の手術方針が決まりミチコと2人ラーメン食べるシーンで、少しホッとしてるんだなぁと感じられてるのが余計にしんど!!
弟は後遺症で、自分は負い目で苦しまされたからその原因の弟子に罪滅ぼしさせたかったのも本当だろうけど、何より気持ちとしては弟を助けたかっただろうから。

あとはオペする日を決定するだけだったのに僅差で弟が体調急変→脳死状態とかああああ!酷いよ!

ネタバレ見てたからちょっと冷めた状態で見れるかな思ったけど、神津院長が晶さんに「多可人を返せ!返せ!返せ!!」って掴みかかるとこで(´;ω;`)となった。
そうだよなぁ兄弟共にずっとずっと辛くて、やっと光明が、可能性が見えた瞬間にもう二度と光が見えない場所に突き落とされるってもう、もう、すっっっごい絶望だよね…

ここは難しいというか、医療は「今」の患者を救うけど、人間救われても生きてりゃいいってもんじゃないのは本当だし。
晶さんは「この先の医療が多可人を完治させられる可能性を信じて」当時できる最善を尽くした。例え今、弟に後遺症が残っても未来に繋げて2人を救うためになすべきことを成した。
でもそうしてうまれてきた神津兄弟が30年苦しかったのも本当。
すんでで間に合わず弟は脳死状態という、実質死んでしまったというのも本当。

掴みかかられた晶さんが脳梗塞を起こし倒れるも神津院長は放置して去る…発見遅れたことで晶さんは意識不明に。なお自発呼吸などはできているので脳死ではない!違い大切!!

晶さん、ドラマシリーズ最終話恒例になってたメインキャラがBANされるのタゲに既になっていたのでエッ?!またやるの?!だったけどやりましたね…
蛭間院長が晶さんに語りかけるとこがねぇ…「ウチの医師たち総出で絶対延命させるからね」って…西田敏行さんの件と合わさってもうなんか情緒が静かにやられた。

泣き崩れるミチコをヒロミが支えてるのが、ううーーーーーってなる。
一匹狼〜のナレは恒例だけど、こんな時ミチコが本当に1人じゃなくて良かったよぉ…ヒロミの存在めちゃ大きい本当。

弟のフリをして2年前から活動をしていた神津院長、コスパ重視しすぎて切り捨てた子会社社長の恨みを買い車爆破される。
ば、爆破?!
恨みならそんなテクニック使わんでも社長単騎特攻とか…とか考えたけどこの後の展開…「複数臓器損傷」「心臓損傷」とかが必要なのと映画なので派手にやらなきゃいけなかったんだなぁと思わされた。

えーと、ここから最大ネタバレになりかつネタバレ状態で見るとかーなーりノイズになるのでご注意ください。

全身火傷に左腕吹き飛ばされ複数内臓破裂損傷、心臓も損傷状態な神津院長を治療しにかかるミチコに「もう助からない」「楽にしろ」と言う海老名や加地の言葉はたぶんミチコ自身の中に響いてる言葉なんだろうな。

脳死の弟から左腕と肝臓を移植。
弟は以前から自分がもう長くないことを見越して自分の臓器は全て兄へ、ということで臓器提供の意思確認同意書にサインしてた。
これって弟も兄のことを思ってたってことなんだろうな。めちゃ仲良しで一心同体な双子…ドラマティック。
タイミングめちゃくちゃご都合だけど。

縫合も完了して終わりと思いきやまさかの心停止。
必死に心臓マッサージするミチコにみんなもう諦めよう、仕方なかったんだよ、どうしてそんなに必死になるの?晶さんをわざと見捨てたのに…と。これもミチコの中で響いてる声の代弁っぽい。
でもそれを凌駕する晶さんから教えられた言葉たち。「川の流れのように…」と「私、失敗しないので」
その言葉、やっぱり晶さんがルーツだったんだなぁ。

で、ミチコは晶さんの心臓を使うことを決意するわけですが、ここでおいおいおい待て待て待て!!となりました。
その場でドナー適合するかとかわかるんか?
あと若人に喜寿迎えた人の心臓って大丈夫なんか?
移植手術そのものがかなり大掛かりなものなはずなんだけどもうこのドラマだとミチコなら臓器の3個程度、用意さえできれば余裕の勝ち確っす✌️みたいなとこある。縫うだけ⭐︎みたいな。そんなわけあるかーい!
ありすぎて麻痺してたし一卵性双子だからそんなん適合して当たり前でしょ⭐︎な勢いのまま突っ切ってこようとしたけど心臓はあまりにも目立つ重要器官すぎて思わずツッコこんだ。

あと神原晶、死す!のミスリードのために心臓取り出した晶さんをみんな全力で放置してたのが……これがネタバレ見たことによる最大ノイズでした。
実は神津兄弟が作った人工心臓(元は弟のために作ったが遺伝子要因からの不適合のため使用できず。説明無かったけど一卵性のため兄の方にも適用できないっぽい)で実はちゃんと生きてます!というのなんだけど、さすがに心臓取り出した後放置しすぎ(移植した心臓縫合に何時間かかると思ってんだ)でこんなん死ぬだろ絶対!!ってクライマックスなのにスン……してしまった。
ここ全力で放置してるのはミチコ以外「神原晶は死んだ」認識なわけで、だからこそ蛭間院長の「この手術は隠蔽しろ(脳死ではない植物状態の人から移植のために心臓を取るのは殺人行為であり医師免許剥奪、だけどそれを見逃すと言ってる)」が悪役の台詞としてめちゃくちゃに光るわけで…どんでん返し演出のために整合性の取れる演出全部ぶん投げた感じがすげぇある。
一応辛うじて
晶さんから心臓摘出→晶さんに人工心臓移植(全カット)→神津院長に晶さんの心臓移植
って流れもあり、えるのか??

普段ネタバレ大丈夫派なんですが、こればかりはネタバレ見ないで行った方が良かったなぁと心底思いました。
最大クライマックスだからこそノイズすごかった…。

晶さんの喜寿のメッセージ…「大門未知子は私の誇り」…うわーんってなった。神と悪魔の師弟好きだ!!
「いくら積まれても大門未知子は売りません」もだけど本当良いなぁ。
あ、でもシーズン1の孤高の凄腕女医と金にガメツイ謎のメロンマネージャーのおもしろいけどどこか乾いてるような関係も好きだな。
ところでファイナルで唐突に新しい晶さんの謎呼称「メロンマネージャー」が出たけど西田敏行さんのアドリブ…?

30年前に未来の技術進歩を信じて「やり残した」こと、ミチコに託すつもりだったのがグッときた。
ここもメッセージじゃなくて口頭でやろうよ思ったけどまぁ演出の問題だよね。ウン。
ヒロトが「この手術だけは失敗できない」と思ってたように晶さんもタカトの再手術には慎重だった、という解釈でいます。

色々ツッコミどころはあれど、最終的に「『今』誰かを救うことは『未来』に必ず繋がっていく。それは誰かの中でいつまでも生き続ける」というところに全て終着しているのはとても好き。
ミチコが解剖されるはずだったカエルをこっそり逃した時、晶さんが30年前胎児だった神津兄弟を救った時、神津兄弟が人工心臓を開発した時。
全部未来に繋がっている。
弟の片腕と肝臓、晶さんの心臓をミチコに移植されることでヒロトは助かり、晶さんは神津兄弟が作った人工心臓によって助かった。
「生きるんだよ、元気でね」
昔逃したカエルに言った言葉をヒロトにもかける。ミチコの、どんなに変わっても変わることがない揺るぎない優しさなんだろうな。

医者は『今』しか救えない。その後のその人の人生は救えない。けど、『今』を繋いだその先に『未来』はあるし、繋いで行った中で人は生きて行く。みたいな。
ヤッベ哲学的だな。
いやでも最近…出産トラブルや先天性による重度障害を負った子供の介護に疲れ果てて手にかけたり放置したりして逮捕される親の事件が流れてくるのを見て、「今」を救う医療は劇的に進歩したけど救った後については基本ノータッチって生き地獄を生成してるとこない?とぐるぐる考えてたことがあったので、なんかそういう個人的な澱み感情が少しだけ浄化されました。
ドラマの綺麗事って言えばそうだけど、希望を信じて未来を信じて手を伸ばす人たちの物語はやはり沁みるんだ…。

神津兄弟とミチコと晶さん師弟のミラーリングも組み込まれていてより深みが出てたな〜
神津院長は「神原晶は自身の片割れであり一部であるタカトを犠牲にした」と思っていたから倒れた晶さんを見捨ててミチコに片割れを失くす痛みを負わせようとした。
ミチコはそれに対して30年前の晶さんが神津兄弟にしたのと同じように「今できることをやって両方救う」をやった。「晶さんなら絶対にそうするから」という、「片割れであり一部である」からこその発言…ぐああああ!そういうの大好き!!!

ありがとうドクターX!最高でした!
主題歌もすっごく良いです。

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