ホラーブームに乗りに乗った話題の展示会に行ってきました。
一応現代アートにもカウントできそうな展示会でメディアもノリノリで宣伝しまくってるのは珍しいのでは?
まず初めに
人!多い!!
盆休み期間は時間指定チケットしかないのでそれで行きましたが12時半入場というお昼時でも普通に人が多かったです。
客層は男女比半々くらい、20-30代が中心でした(小学生~高校生はほぼいなかったと思うけど最近の子発育が良すぎてわからん…)
制限時間1時間半制、
1階と地下1階に展示があります。
かなりボリュームありました!
1階ド真ん中にある公衆電話。
汚れ方、使い倒され放置された感じのガタつき方など演出が非常に凝ってます。
モキュメンタリーで使う資料としてみるとめっちゃ興味深いリアルな経年演出でした。
※ギミックなどは特になし。
男子トイレに、恐らく8月以降追加された作品。
廃墟から見つかった子供用プールが、デンと置かれています。。
濁らせ方が絶妙で、一見ただ汚水が入っているように見えるんですが、浅いはずのプールの底が実は全く見えないよう調整された水が入っています。
別所の展示に「別世界に繋がる儀式をしていた廃屋にあったフラフープ」があったけど、たぶんそれと同じ系統かな。
微妙な開き方がいかにもすぎる。
行方不明者を探す異様な張り紙
写真にイラストをデタラメにコラージュされたもの
写真で見てるときはそうでもなかったけど実物だとかなり奇妙でウッとなる。
「どうしても目もとが■■分りません」
目を何度か描こうとして×をしているのが…。
最終的に顔部分を破っているのも…怖いというより悲しいという感情が表れていてよかったな~
地下1階の展示は1階の行方不明についてもう1歩踏み込んでる感じがしました。
「■■郡の山中に棄てられた荷物」
これ一番好きだったかも。
夫婦で心中しようとしていたのに妻だけが先に行方不明になってしまった(妻が世界から消えた)というもの。
この荷物の持ち主は見つかっていない、という説明書きでしたが、夫の方も行方不明になったのか自殺したのか…はわからず。
一緒に死のうとまで思っていた相手に置いていかれてしまった、たぶんこの二人は生きていても死んでも永遠に再会できないのかもなと思わされるのがたまらなく寂しくて良かったです。
手紙と財布。
手紙の内容は気遣ってるし正論なんだけど、
アンサーとして「手紙が入っていた財布はズタズタに引き裂かれた状態で見つかった(でも手紙は損傷してない)」なんだよな~うまい!
他にも、「行方不明になる(別の世界にいける)扉があったのに怖気づいて逃げてしまった人が『もう一度チャンスをください』と必死にお供えしたであろう遺物」とか
記憶喪失で保護された身元不明人の服から見つかった恐らく自分自身に充てての手紙とか。
パンフレットに対談が掲載されていて、そこで梨さんは「行方不明になったとして、別の世界に行けたとして、そこで幸せになれるかはわからないって考えると…」みたいなことを言ってて
地下1階の展示はまさにそんな感じの、行方不明になった1つの結果が提示されてる展示でした。
文章書きながらしんみりしていたけど、考えてみると「いや異世界に行けて超ハッピーしてま~す★」の方向に振ると今めっちゃ流行っている異世界転生ものになるんだよなwww
そういう時世の流れも意識しての展示会だったらしいです。
色々な種類の展示がありますが、映像とボイス系は待ち時間長い!
私は時間配分間違えてボイス系は聞けなかった~なかなかゾワっとくる良い作品らしかったのでかなり心残り…
検索すると同じような人が結構いましたね~
映像作品は露骨なホラー求めてると肩透かしになると思われます。
異世界にいくための儀式・都市伝説を試してみた動画、など、結果はわからないのがほとんど。
比較的わかりやすいのは1階の、「異世界に行く儀式が行われていた廃屋に入ってみた映像」(土がもりもりの盛られてる部屋にある)と地下1階の「犬の散歩中に転んだら異世界に飛んだっぽい映像」かな。
犬の散歩のやつは海外の都市伝説として有名な「バックルーム」をモチーフにしてるっぽかったです。ただ、若干CGっぽさが削ぎきれてなかったような…。
映像は1つ1つの作品がそれなりの長さあって雰囲気重視で複数台モニターではないのでかなり待ち時間が発生していました。
これから行く人で効率重視な場合はまずボイス作品を視聴して地下1階、映像作品といった感じに回ってみるのもいいかもしれません。
ただ、個人的に地下1階は1階展示の「結果」みたいな、一つのアンサーかなとも思うので順路としては1階→地下の方がわかりやすいよう作られていると思います。
でもアンサーから読んで遡るのもまた一興かも?
おもしろかった!
全てフィクションというのを少し忘れそうになるくらい作りこまれていて、モキュメンタリーすごいな!となりました。
全て虚構だけど、作品から感じ取る寂寥感には妙な現実感があるのがなんともいえず「もののあはれ」な展示会でした。
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